明石歩道橋事故 最高裁の決定は免訴
2016/07/14
15年前の平成13年に発生した明石歩道橋事故で、最後まで残っていた裁判の結論がでました。最後のというのは、民事裁判も、当時の明石署元地域官らの刑事裁判も確定し、あとは強制起訴制度によって起訴された元明石署副署長の裁判だけが残っていたからです。
最高裁の結論は免訴。大体次のような論理構成です。
□業務上過失致死傷罪は事故から5年の経過によって公訴時効となる
□元副署長と元地域官とが共同正犯のと認められれば公訴時効が停止する
□業務上過失致死傷罪の共同正犯が成立するためには、共同の業務上の注意義務に共同して違反していたことが必要である
□元地域官と元副署長とは、それぞれ分担する役割は基本的に異なっていた (元地域官は、本件警備計画の策定の第一次的責任者ないし現地警備本部の指揮官。 元副署長は、副署長ないし警備副本部長として、元署長が警察署の組織全体を指揮監督するのを保佐する立場)
□本件事故を回避するため両者が負うべき具体的注意義務が共同のものであったということはできない (元地域官は、署長を介しまたは自ら機動隊の出動を要請して、歩道橋内への流入規制等を実施すること、警備計画の策定段階では自ら本件警備計画を適切に策定すること。 元副署長は、各時点を通じて、基本的には元署長に進言することなどにより、元地域官らに対する指揮監督が適切に行われるよう補佐すること)
□従って、被告人(元副署長)につき、元地域官との業務上過失致死傷罪の共同正犯が成立する予知はない
□そうすると、公訴時効は停止せず、原審が被告人を免訴としたのは正当
下記のリンクは、最高裁決定です。