痴漢事件における微物鑑定の問題
2015/09/11
満員電車などの痴漢事件では、犯人が被害者の衣服等を触っておれば、その衣服の繊維編が犯人の手に付着しているという理屈をもとに、微物鑑定が実施されています。
もともと、この微物鑑定は、殺人事件や強姦事件など犯人と被害者と1対1で対峙する事件において、実施されてきたものです。前提として、被害者が殺されそうになるとき、強い力で相手方の衣服等を掴むことや、被害現場ば密室であったり第三者が出入りしない、という事情があります。
しかし、満員電車の痴漢事件では、犯人が被害者の衣服を掴む力は弱いものですし、被害現場は常に多数の者が出入りできるような場所です。実際、満員電車において行われた実験では、実際に被害者に触れていなくても微物が手に付着していたという結果が出たこともあるそうです。
したがって、痴漢事件等における微物鑑定は、かなり慎重に見ていく必要があります。
もしあなたが痴漢事件の犯人に間違われ当日は帰されたものの、、後日警察から呼ばれて、鑑定結果からお前が犯人だと言われたとしても、ただちにそのことによって犯人となるわけではありまん。
このような場合には、すぐに弁護士に相談しましょう。
弁護士 三 好 登 志 行