福知山市花火大会の爆発事故について 佐藤健宗
2013/08/21
福知山市の花火大会で、爆発事故が発生しました。お亡くなりになった方にお悔やみを申し上げます。またお怪我をされた皆様にはお見舞いを申し上げます。
今回の爆発事故は露店の店主のガソリン携行缶の取扱ミスに起因することはほぼ明らかになってきました。つまり店主の男性が、①ガソリンの携行缶を長時間(数時間)にわたって炎天下において缶の中でガソリンが気化する条件を作ってしまったこと、②にもかかわらず、ガソリンを取り出す際に圧力抜きのバルブを開放せずに、メインのキャップを開放して一気に気化したガソリンを放出させたこと、③その作業を火気や一般観客の近くで行ったこと、に原因があると思われます。
店主の行為は、業務上過失致死傷罪に該当する可能性が高く、警察が捜査を始めていますが、店主自身が重傷であるため、事情聴取は思うように進んでいないようです。
店主の行為やその法的責任とは別に、再発防止の観点から考えてみるとどうでしょうか。今回の花火大会では、福知山市が主催者です。また火気を取扱う業者に対する指導権限がある消防部局も福知山市の一部局です。露店や花火観覧場所の配置の問題(露店のバックヤードに極めて近接した場所に花火の見物客が密集していた)、 露店に対するガソリンの取扱についての指導助言のあり方(携行缶を炎天下に放置しない、キャップを開ける際に圧力抜きキャップを必ず先に抜くことを指導する)などが考えられます。
いずれにしても、今回の爆発事故を十分に調べて、二度と同じような事故を起こさないように教訓化すべきであると思います。
弁護士 佐藤健宗(兵庫県弁護士会明石支部)