初動弁護の重要性(刑事) 三好登志行
皆様、こんにちは。 弁護士の三好です。 神戸マラソンが近づいてきたからか、夜や早朝に走っている人を多く見かけるようになりました。当職は、3年連続で、神戸マラソンに申し込みましたが、今のところ、全て落選です。
さて、先日、ある刑事事件の依頼があり、警察署へ行ってきました。事案は、次のようなものです(守秘義務、プライバシー等に配慮し、事案は変更しております)。
私は、神戸市内のA社に勤務する会社員です。家族は、妻と中学2年生の娘、小学5年生の息子がいます。
毎朝、JRの新快速電車で通勤しています。 先日、いつものように通勤しており、○○駅で降車しようとしたところ、いきなり私の左斜め前にいた大学生くらいの女性が、この人痴漢ですと私の方を指さしてきました。
私は、全く身に覚えがなかったので、やってませんと言い続けましたが、その場にいた男たちに取り押さえられ、駅の事務所に連れて行かれ、その後逮捕されました。
刑事からは、あなたにも妻と子どももいるだろう、早く罪を認めて、被害者と示談して終わらせた方が良い、認めて示談にしたら不起訴にしてやると言われています。
どのようにしたら良いでしょうか。
今回の件は、被害者の方が、痴漢にあわれたことは間違いないと思います。
しかし、満員の通勤電車の中、誰が自分に対して痴漢行為に及んだか正確に捉えることは、時には困難に及びます。そういったことから、このような誤認逮捕も時には起こってしまいます。
今この記事を読まれている会社員の方は、自分は大丈夫、あるいは捕まっても本当のことを話せば警察は分かってくれると思っているかもしれません。
しかし、実際は全く違います。 まず、逮捕された時点で、警察があなたの言い分を聞くことはありません。 それどころか、あなたに対して、罪を認めるよう、執拗に迫ってきます。 これは間違いのない事実です。そして、いったん罪を認める文書(調書)を作ってしまうと、それ以降は、どんな言い訳をしても、裁判所は、調書をもとに、あなたを有罪にする可能性が高くなります。刑事の言うとおりに、罪を認めて示談にしても、不起訴になるとは限りません。なぜなら、起訴するかどうかの判断は、刑事ではなく、検察官が行うからです。
なので、罪は認めたは、お金は払ったは、結局起訴ということも十分あり得ます。そして、あとでやっぱりやっていないと言っても、罪も認めて、お金も払ってるから、やったんでしょう?今さら言い逃れをしているのは、罪をかぶりたくないからでしょう?という見方になってしまいます。
警察に逮捕されたら、まずは、弁護士を呼んで下さい。
弁護士と相談してから、話しますと言ってもらっても、そのことによって不利になること全くありません。むしろ、警察のいうとおりに進めることの方が危ういと思います。
また家族が逮捕されてしまったというときも、すぐに弁護士に相談して、対応を検討する方が良い場合もあります。
こんなことでも相談しても良いのかなという場合でも、一度電話してみて下さい。相談する必要があるかどうか、当事務所では回答させていただきます。