建物の明渡の強制執行と引渡命令
2013/07/12
市内の土地・建物を競売で取得された方からのご依頼で、建物の明け渡しの強制執行の手続きを行いました。競売手続で落札された建物の中に、大量の動産(家具、家財道具、日用品、食器などです)が残されており、これを合法的に処分したいというご依頼です。
元々その土地・建物は共有であったため、大量の動産が共有者の中の誰のものか全くわかりません。そして、土地と建物は競売で取得したとしても、建物内の動産は競売の対象となっておらず、無断で処分すれば、動産の持ち主と称する人物から、動産の中に貴重品があったなどと難癖をつけられるおそれもあります。
このような場合、裁判所に引渡命令という強制執行を申立てて、建物内の動産を法律に乗っ取って処分します。実際に強制執行をやって下さるのは、執行官という裁判所の専門職員です。まず執行官の執行補助者の鍵屋さんに扉の鍵を解錠してもらい、執行官と一緒に私も建物の中に入ります。
建物を競売で取得した側が建物の中に入れるのはこの機会が最初です。競売手続の中で執行官が作成してあ現況調査報告書という書類が公開されますが、写真が数枚添付されているだけであり、競売前はその写真を手がかりに建物の中の様子を想像するしかありません。
実際に建物の中に入ると予想以上に大量の動産が放置されていました。執行官と協議を行い、土地・建物の取得者(競落人)が建物内に残された動産類を一括して購入する手続きをとります。その上で、廃棄物処理業者に依頼して、残された動産を一括して廃棄処分することにしました。
このようにして競売物件の建物の明渡として、残された動産の処分が行われます。